
ここでは「いかにも機械工学らしい」のとは違う研究テーマを紹介しましょう。そもそも機械工学は「mechanical engineering」の訳語ですが、「mechanics」とは力学のこと。すなわち、現象を力学的に捉えて活用することが機械工学であり、その適用範囲は「機械」に限定されないのです。ヒトを含む「生物」の身体動作もまた、機械工学の得意分野です。機械工学プログラムでは、その技術を医療(人工関節・リハビリテーション・歩行分析など)や福祉(機器や装具の設計)に活用してきました。近年は、学生の希望から、スポーツ動作も対象にしています。そして最近始めたのが、楽器演奏の動作分析です。大学の課外活動サークルと協力し、表現の幅を広げる練習方法の開発に取り組み始めたところです。機械工学は、社会的な課題から身近な問題まで、科学的に捉えて解決するための便利な道具なのです!