研究紹介 本文へジャンプ


はじめに


自励振動とは...

 「自励振動(Self-Excited Vibration)」.耳慣れない言葉ですが大変興味深い振動の一種です.振動学的には自励振動の定義は次の様に記述できます.自励振動とは「振動発生の原因である非振動的エネルギーが,その系内部の因子により振動的な励振エネルギーに変換されて発生する振動」です.チョークの振動などがその一例です.手はただチョークを引っ張っているだけなのですが,チョークと黒板間の摩擦の影響でカタカタと振動してしまいます.大分の代表的な焼物の一つである小鹿田焼のかんな模様も自励振動を利用したものです.このような自励振動は,工業界の至る所で発生しているのですが,未だその発生メカニズムはほとんど解明されていません.



主な研究内容


接触回転系のパターン形成現象

 世の中には何らかの規則性を有するよく似通った模様や集合があります.たとえば,自然界では,うろこ雲,砂丘の風紋,海岸の波紋などがあります.また,身近な例では,非舗装道路のでこぼこやアスファルト道路の波状変形があります.一方,工業界でもこのようなパターン形成現象は存在します.たとえば,自動車のタイヤが多角形に摩耗したり,鉄道のレールが波状に変形したり,金属ロールに周期的摩耗が発生することがあります.これらは,接触を伴いながら回転する系(接触回転系)に多く発生します.このテーマはこのような接触回転系に発生するパターン形成現象の発生メカニズムを解明することを目的としてます.

ブレーキシステムの鳴きのメカニズムとその制振

 近年,自動車用のブレーキとして制動安定性やフィーリングの良さ等の点でディスクブレーキが数多く用いられています.バス停で実感できると思いますが,ブレーキは制動時にキーと言う大きな音を発することがあります.これらの鳴きは,高級車の低騒音化の妨げになるだけではなく,社会問題にもなっています.また,競技用のマウンテンバイク等で用いられているブレーキシステムでも同様に鳴き現象が発生し,問題となっています.これらの摩擦に起因した自励振動は,その発生原因がほとんど解明されていません.本テーマでは,このような摩擦に起因した自励振動の発生メカニズムを解明するとともに,その制振手段を開発することを目的としています.

 
リンク
大分大学のHP
大分大学工学部のHP
機械コースのHP

トップページ