大分大学工学部 機械・エネルギーシステム工学科 熱工学研究室

浜武 俊朗

研究紹介
熱工学研究室では「ピストンエンジンの高効率化と信頼性向上」に関する研究を行っています.エンジンの高効率化と信頼性向上の実現には,研究室内でもう一つのグループが研究している燃焼技術の改善のみならず,多くのエンジン部品を対象とした個々のトライボロジー技術に追うところが多い.ここで,トライボロジーとは,「摩擦・潤滑,摩耗などの表面損傷およびそれらに関連する諸現象を取り扱う」,工学の一分野です.ピストンエンジンはトライボロジー問題を非常に多く抱えています.
 現在,ピストンエンジンは,石油系燃料の枯渇問題や地球規模的環境問題に対応するため,高効率化と低公害化が緊急の課題となっています.熱効率向上の手段の一つとしてエンジンの機械摩擦損失低減が図られています.機械摩擦損失の大部分はピストン系,クランク系軸受および動弁系の摩擦損失に起因しますが,ピストン系の摩擦が全摩擦損失の約40〜50%程度を占めることから,その低減は極めて重要な課題です.最近の傾向として,低粘度マルチグレード潤滑油を使用し,しゅう動部の流体摩擦力の低減を行っています.しかしながら,ピストン速度の小さい死点近傍でのピストンリングとシリンダライナの作動状態は,混合潤滑あるいは境界潤滑態であり,特に燃焼ガス圧力の大きい膨張行程初期の潤滑状態は非常に過酷です.潤滑油の低粘度化は混合・境界摩擦および摩耗の増大,スカッフィングの発生などの問題を含んでいます.
 これらのピストン系のトライボロジー問題を理論解析および摩擦試験機を用いた実験の両面から調べ,エンジンの高効率化と信頼性向上の有効な方策を研究しています.


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