大分大学工学部 機械・エネルギーシステム工学科 熱工学研究室
バイオマス発電用点火装置の開発に関する研究(JKA機械工業振興事業による)

目的
 現在,地球温暖化問題や資源枯渇問題が深刻化する中,自然エネルギーへの関心が高まっている.
 中でもバイオマスはカーボンニュートラルな特徴を有する環境調和型のエネルギー資源としてその役割が強調されている.建築の生産から廃棄にいたるまでには,多くの木質廃棄物が排出されているが,多くは再資源化されずに放置または消却処分されているものが多い.こうした廃材を代替燃料として利用することができれば,二酸化炭素排出低減及びエネルギーの有効利用につながるが,廃材由来のバイオエタノール発電ではこれまで,熱効率及び排ガス特性の悪化が問題となってきた.本研究は従来の点火装置では点火できない条件で確実な点火を可能にする新たな点火装置の開発に関する研究である.本研究は最終的に,本技術を用いることでこれまでにないバイオエタノール燃料の希薄・希釈燃焼技術を実現することを目的としている.

内容
 本研究では,非平衡プラズマと熱プラズマを用いることで,従来の点火装置では点火できない条件で確実な点火を可能にする新技術である.今年度は以下の研究を行った.

@点火回路の小型化
 点火回路の小型化を試みて,従来より30%程度の小型化を実現できた.
A点火回路で発生する放電パターンの最適化
 放電パターンの最適化を試みて,各パルスの最適な閾値および,周波数を算定できた.
 またエタノールに対して点火促進効果があることが分かった.
B本回路で最適化された形状を有する点火プラグの開発
 本点火回路に最適化した点火プラグの試作を行った.

予想される事業実施効果
 現在、地球温暖化防止の観点から,カーボンニュートラルなバイオマスの積極的利用が求められている.日本は特に森林資源ときわめて密接な関係にあり,豊富な森林資源に由来するバイオマス利用に関して積極的な役割を果たしていく必要がある.木質系バイオマス有効利用することで,化石燃料に依存する必要性を減らし,同時に,二酸化炭素の大気圏への排出を一層抑制することができる.とりわけ建築の生産から廃棄にいたるまでには,多くの木質廃棄物が排出されているが,多くは再資源化されずに放置されたり,消却処分されているものが多い.本研究により,建築廃材から製造されるバイオマスを燃料としたコジェネレーション用燃焼器の高効率・低公害化が実現できれば,エネルギーの有効利用と二酸化炭素排出量低減につながる.

本事業により作成した印刷物等
バイオマス発電用点火装置の開発に関する補助事業成果報告書

事業内容についての問い合わせ先
所属機関名: 大分大学工学部機械・エネルギーシステム工学科
住 所: 〒870-1192
大分市旦野原700
申 請 者: 教授 田上 公俊(タノウエ キミトシ)


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