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大分大学 機械コース
助教 加藤義隆

機械工学実験T
(機械・エネルギーシステム工学科 機械コース 3年生)
福祉機器実験U
(福祉環境工学科 メカトロニクスコース 3年生)
No.2 固体の温度伝導率の測定

達成目標


実験の要領
  • 一週目
     理工2号館2階機械講義室(旧製図室)に集合.最初に課題レポートの提出と予習内容の確認を行う.その後,測定を行い, 受講生にデータを渡す.受講生はそのデータをテキストに従って整理する.作業終了後に質問が無ければ,課題と2週目予定等の説明の後に解散.
     予習のポイントは,温度伝導率と1.基礎式に記述された内容の理解です.微分方程式を解く過程は無視して構いませんが,それ以外は式の意味も尋ねていきます.物語ではないので,説明を読んで「ああそうですか」「よく分からない」などと簡単に終わりにしないで下さい.
     課題レポートの説明は「受講する際の注意」の「レポートは最低3回提出」で詳細を述べています.
  • レポート仮提出
     理工2号館2階208号室(以前製図室だった機械講義室の正面)の前の箱に提出してください.提出期限は実験2回目の当日10時40分までです.
  • 二週目
     午前中に仮提出したレポートについて解説と注意を行う.
     その後,別の試験装置を用いて1週目とは異なる試料の温度伝導率を測定し,質問が無ければ終了.
  • レポート本提出
     理工2号館2階208号室(以前製図室だった機械講義室の正面)の前の箱に期限を守って提出してください.提出期限は実験2週目に指定しますが,基本的に次週の実験開始前までです.

受講する際の注意
  • 予習
     付録に大まかな理論の説明を書いたので,仮に理解できなくても質問できる程度になっていてください.テキストの最終ページに課題があるので,A4レポート用紙で提出してください.
     課題レポートの説明は「受講する際の注意」の「レポートは最低3回提出」で詳細を述べています.ある程度は受講者の理解を確認しながら授業を進めるので,1人でも予習が不十分な学生がいた場合,班全員の終了時間は遅くなります.
     初回の授業では,レポート課題の解説の後,「温度伝導率が何か」という質問をします.また,式(2),(3)の解釈および,式(4)から式(9)までの導出の過程について尋ねます.
  • 服装と暑さ対策
     実験で作業らしい作業はありません. 上着着用は義務付けません.作業服の着用は義務付けませんが,受講する上で妥当な服装で来てください.サンダルや短パンは基本的に認めませんが,特別に事情のある場合は事前に申し出てください.
  • 片対数方眼紙
     一班一枚あれば通常は問題ありません.自分達で用意してください. 定規があると便利です.その他に用意するものは,関数電卓など他の 実験テーマと共通です.
  • レポートは最低3回提出
     実験レポートとは別に実験初日に課題のレポートを提出してもらいます. 課題は実験テキストの最終ページに「実験初日にレポート用紙で提出する分」 として記載されています. この内容は後述するように評価にも反映させる予定です.なおこのレポー トもシャーペンで書いたものは不可です.
     実験2回目の当日は前述のように午前10時40分までにレポートのコピーを提出してください.レポートを修正したという証明に使います. コピー機でコピーする場合は濃度に注意してください.解説を聞きながらメモを 取るために,レポートの原本を持参することを強く勧めます.なお, 2週目の指摘を無視したレポートを提出した場合,2週目を無断欠席した者と 同等に扱います.
     実験2回終了後は,指定された日時までに指定された場所にレポートを提出してください.
  • レポートの形式
     レポートはA4用紙で作成し,左上1か所をステープラー(ホチキス)で留めてください.表紙の前に,下記のレポート採点基準に挙げられた項目の内,「字と文体」「図表の使い方」「式番号」「体裁」「結果の表示」「ページレイアウト」「文体」「参考文献」の項目をクリアできているかを確認した一覧を添付してください.また,この実験のレポートに限り,「見出し・本文・箇条書き等」「式」「図」「表」を分けて作成してください.ページをバラバラにした状態で,式・図・表を添付資料のように参照しながら,文章の説明を読んでも分かるように書いてください.
     提出する時の紙は,手書きの場合は普通のA4レポート用紙,ワープロ使用の場合はA4サイズのOA用紙でお願いします.
     2週目の実験終了後にレポートを修正するので,ワープロの使用を勧めます.数式の記入になれていない場合に,数式だけ手書きにしても構いません.
  • 班の中で協力しあう人間関係
     レポートを写す行為は許しませんが,協力しあうことは必要です.協力しあえる人間関係を築く努力は学生自身で行ってください.なおレポートを写す行為が発覚したときに,元となるレポートがを作成した学生が受講中であれば,その学生も処分します.協力することと不正行為は区別してください.
     読んで分からないレポートは,「参考」になりません.同じ大学3年生の作成したレポートなので,読んで内容が理解できなければ,自分の学力が低いか,内容がおかしいと判断してください.
  • 参考文献
     参考文献として伝熱工学の資料もしくは教科書が必要です.
  • 実験結果の受け止め方
     小学校の理科の実験では,予定外の結果は実験者の手順の誤りが原因となる傾向があります.今回,そういった考え方に縛られないでください.実験結果が予想通りにならない理由は,操作の問題以外にもあります.




レポートの採点基準
 担当者の主観で判定しますが,以下の基準が設けています.考察以外の下記の項目について,同じ項目の減点対象が複数あっても減点回数は1回です.考察の内容は,少々の誤りがあっても減点しない方針でしたが,機械系学科に所属する3年生として著しい学力不足を示す内容が近年多く,減点することがあります.
  • 字と文法5点
     読めなければ返します.読みたくないほど雑な字は減点します. 誤字脱字がひどい場合も減点します.ワープロを使用する場合は, 上付き・下付きなどの誤りや数式のおかしな記述方法が減点対象です. ワープロソフト(某社Word)を使用するときに本文中の記号を数式を入力する機能を用いて入力する学生が後を絶ちませんでしたが,それが原因で行間が変 わっている場合も減点対象にします.斜体・上付き・下付きなどは, 使用するワープロソフトに操作方法が依存するので,各自で対応してください.
  • 図表の使い方10点
     図表は正しく用いてください.図のタイトルは下,表のタイトルは 上に書きます.また文章中での説明が基本です.図表は挿絵では なく説明のための補助ですから,文章による説明と無関係に図や 表が挿入されることは認めません.図や表の挿入する時に,テキ スト2ページの図1のような文の折り返しは必要ありません.図表 等が入る行に本文を記述しないことを強く薦めます.
  • 式番号10点
     本文と数式を別のページに記述しても理解可能な書き方をしてください. 具体的には「本文中で数式を説明するときに必ず式番号を使って説明する 」ということです.この項目は実験を担当する加藤独自のルールであり, 機械学会等の執筆要領を参考にしたものではない.
     計算結果の数値解を式の体裁で記述する学生が過去に 多数いるが,本文の中で「式(?)に・・・・の値を用いて計算すると, ○○mm2/sの値を得た.」などと記述する方が良い.
  • 体裁10点
     テキストの最終ページに「例」はありますが,正しいかどうかは別です. 参考にする程度にしてください.
  • 結果の表示方法10点
     図や表を用いて見易くまとめる.レポートは人に報告する物なので,見難い ものは役割を充分に果たしません.見易いかどうかは担当者が判断しますが, 見難い表示方法の場合は自分が考察するときに支障が出ます.
  • ページレイアウト10点
     図や表の挿入方法や見出しの入れ方など,見栄え良くしてください.特別なこ とは必要ありません.図表とそのタイトルなど本文以外の要素を挿入する時は,本文との間を一行空けてください.また余白を20から25mmにする,無闇に空白のスペースを大きくしないなどを心掛けてください.
  • 文体5点
     レポートでは「です・ます」や読み手への問いかけ等は認めません.体言止めも使ってはいけません.
  • 理論の説明5点
     レポートに必要な範囲内で過不足無く書く. 結果を導く過程や考察を理解する上で支障を来すような説明は減点します. むやみに長いものも減点します.
  • 考察の内容35点
     適切に実験が行なわれると,実験結果は比較対照のデータと異なる値が出ます.まず,測定結果が含む誤差・測定結果を整理する過程で生じる誤差を見積ってください.なお,誤解が多いのですが,誤差は測定の誤りではありません.測定値の読み誤りや記録の不備および誤記記載は「誤差」ではなく,「誤り」や「失敗」です.
     配点は,定量的な評価がなされていることに5点,誤差評価をしていることに15点です.この,誤差評価は,単に誤差を何%と示すだけでは不十分で,相対的な比較によって誤差の大小を判断してください.また,誤差評価の結果として比較対照と実験結果に差が無ければ,それ以上の考察はありません.仮に比較対照と実験結果に差があれば,そのことについて言及してください.その考察の配点が15点です.
     考察では,自分のできることをやり切ってください.例えば,温度測定の誤差が実験結果に影響していることは,実験を見れば,誰でも分かります.考察で求められるのは,それ以上のことです.
     あと無駄に長い考察を作成している場合は,考察の部分での評価を無効にします.
  • 参考文献
     必須項目.「温度伝導率」に慣れ親しんでいる受講者はいないはずなので,「温度伝導率」がどの程度の値をとるものか,物質の違いによってどれほど値が変わってくるのか,は最低限調べてた上で,自分達の実験データの妥当性について言及してください.無ければレポートは0点とします.
  • その他
     上記の基準以外に評価すべき良いところがあれば,合計が100点になるまで 各5点追加します.
  •   


 強制はしませんが,受講者全員がレポートを提出した後に,再提出を基本的に受講者全員に認めます.再提出の期日は別途連絡します.再提出の際は,元のレポートからの変更点を全てリストアップした一覧を表紙の前に添付してください.


担当者の
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