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大分大学 機械コース
助教 加藤義隆

平成30年度まで 機械工学実験II
(機械・エネルギーシステム工学科 機械コース 3年生)
No.3 内燃機関の性能試験II

2019年度以降の機械工学実験2の説明ではありません!
達成目標


努力目標
  • 情報を読み取る
     ヒントを資料から探す.懇切丁寧な説明のある資料ではない.例えば同じ事柄でも資料によって異なる単語で表現している.知らない単語は根気良く調べる.
  • 現実の問題として扱う
     授業中に提供するデータからエンジンと装置に複数の不具合が見付かりました.その不具合を授業で読み取れとは言いませんが,データから現象を読み取る姿勢は必要です.


実験の要領
  • 一週目
     機械講義室(旧機械製図室)に集合.最初に資料を配布する.予習の課題の提出の後,テキストの内容を確認する.
     予習の課題については「受講する際の注意」の「レポートは最低3回提出する」で詳細を述べています.
    予習が不十分だと終了時間は遅くなります.実験データが与えられるので,受講生はそのデータを整理する.作業終了後に質問が無ければ,課題と2週目予定等の説明の後に解散.
  • レポート仮提出
     理工2号館(旧機械電気棟)棟2階熱流体工学準備室(208室)の前の箱に提出してください.提出期限は実験2回目の当日午前9時までです.
  • 二週目
     情報基盤センター2階第2実習室に集合する.実験結果の指圧線図を作った後,レポートが批評される.
  • レポート提出
     理工2号館(旧機械電気棟)2階熱流体工学準備室(208室)の前の箱に期限を守って提出してください.提出期限は実験2週目に指定しますが,基本的に次週の実験開始前までです.

受講する際の注意
  • メールアドレスの取得と再提出
    レポートの評価が60点未満で,再提出をしない場合は得点を剥奪します.本提出されたレポートの評価は電子メールで通知します.通知先は,学術情報拠点情報基盤センターが提供するアドレスです.
  • 予習
     課題レポートを実験初回の最初に提出してもらいます.
     課題レポートの説明は「受講する際の注意」の「レポートは最低3回提出す る 」で詳細を述べています.
     初日は配布されたテキストのp.9-10を中心に授業を進めます.知らない単語 は考えても正しい理解を得ることはできません.知らない単語は面倒臭いので すが調べて下さい.1-1図示出力および機械効率では,ひとつひとつ書いていあ る内容をこれまで受けた授業の内容で説明がつくか,自分で確認してください. 小説ではないので読み飛ばさないでください.授業中に質問やヒントを出しなが ら読み進めると2ページで1時間以上かかります.学生の独学ならもっと時間が かかりますが,それが「勉強」だと認識して下さい.
  • 服装
     作業着が必要な作業は特に無いので,節度ある服装で来てください.
  • レポートは最低3回提出
     実験レポートとは別に実験初日の授業開始時に課題のレポートを提出してもらいます.課題は以下の4つです.

    ○課題1
    気化器(キャブレタ),絞り弁(スロットルバルブ),吸気弁,点火プラグ,排気弁について,位置関係と各部品の役割を手短に説明してください.図示しても構いません.廣安博之らの著したコロナ社発行の「改訂内燃機関」改訂版の図6.1が参考になります.
    ○課題2
    吸気弁と排気弁を動作させる動力源と機構,および動作のタイミングを手短に説明してください.タイミングは,ピストンの位置およびシリンダ内圧力との関わりで説明してください.上述のテキストの6章が参考になります.
    ○課題3
    実験テキストの式(II-6)を用いないで,エンジンの諸元と図示仕事・運転条件が明確になっているという前提で,SI単位で図示出力を求める式を導いてください.その式を導く過程は人に納得してもらえるように説明を添えてください.特に教科書等で「4ストロークエンジンだから係数が2(もしくは2分の1)」などと説明される数値の根拠について,適切に説明してください.なお,上述の教科書で式の記述が誤っています.
    ○課題4
    指圧線図における圧力を体積で積分したものが図示仕事ですが,高校で学ぶ積分の知識に基づいて,実験のテキストの式(II-1)でW2を差し引いている理由を説明してください.


     初日の提出課題に限り,レポートは表紙はつけずに1枚にまとめ,用紙の上部に「授業名」,「実験題目」,「氏名」,「学籍番号」,「提出年月日」を明記して,提出してください.このレポートもシャーペンで書いたものは不可です.各課題に対応した見出しは適当につけて良く,上に列挙した課題の説明文を写す必要はありません.記述は表側だけで収め,用紙の裏側の使用やページの追加はしないでください.

     実験2週目の提出物は,批評のために使います.批評を聞きながらメモを取るために,提出物とは別にコピー等を持参することを強く勧めます.機械工学実験Iとは異なり,式と図と表は文章とページを分けて表示する必要はありません.ただし文章の書き方は同様のレイアウトにしても意味が通じるように意識してください.A4サイズの用紙に印刷し,左上一か所をステープラーで留めて提出してください.表紙の前に,下記のレポート採点基準に挙げられた項目の内,「字と文体」「図表の使い方」「式番号」「体裁」「結果の表示」「ページレイアウト」「文体」「参考文献」の項目をクリアできているかを確認した一覧を添付してください.2週目の実験終了後にレポートを修正するので,ワープロの使用を勧めます.数式は手書きでも構いませんので,適切な形状で入力されるようにしてください.配布資料の電子ファイルがダウンロード可能なので,その内容の必要箇所を抜粋してレポートに使ってことを許可します.なお,2週目の指摘を無視して,学生が仮提出と同じレポートを本提出した場合は2週目を欠席した者と同等に扱います.
     実験2回終了後は,指定された日時までに指定された場所にレポートを提出してください.

  • 受講の心得
     内燃機関は数少ない実機を取扱うテーマです.他の製品に較べて資料や書籍が豊富ですが,このテーマで知識の有無を尋ねている訳ではありません.考察では,常識的な感覚と機械工学の基礎に基づいて,実験のデータに向き合ってください.エンジンについて網羅的に勉強する時間はありません.今回は必要な箇所に目星をつけて調べてください.
     自分の「解答」の正否ではなく,入手可能な情報から筋道立てて考えられるかを気にしてください.「正しいですか」と自分の考察を尋ねる前に,納得のいく議論ができたか省みてください.
     分からないことや困ったことがあるなら,誰かに助けを求めてください.そうしないと,何も解決しません.
     少なくとも提出者本人が理解可能なレポートを作成してください.他人のレポートを見て参考にすることは推奨していますが,実験データと全く関係無く参考文献から抜粋した記述や妄想に近い理解不能な記述を学生の間で継承しないでください.08年度生以降,提出物が粗悪になる傾向があり,尋ねると作業時間が極端に短くなっています.

  • その他
     各自,電卓は持ってきてください.また教科書や参考文献の類を持ち込んで構いません.





レポートの採点基準
 担当者の主観で判定しますが,以下の基準が設けています.考察以外の下記の項目について,同じ項目の減点対象が複数あっても減点回数は1回です.また考察以外の項目については機械工学実験Iの採点基準も参考にして下さい.考察の内容は,機械系学科に所属する3年生として著しく学力不足を示す内容でない限り,少々の誤りがあっても減点はしません.
  • 字と文法5点
     書式および日本語の文法の誤りなども減点対象です.読めなければ返します.読みたくないほど雑な字は減点します.誤字脱字がひどい場合も減点します.ワープロを使用する場合は,上付き・下付きなどの誤りや数式のおかしな記述方法が減点対象です.ワープロソフト(某社Wordの某バージョン)を使用するときに本文中の記号を数式エディターで挿入することが原因で行間が変わっている場合も減点対象にします.斜体・上付き・下付きなどは書式設定かフォントから変更できますし,ツールバーにボタンを配置することも可能です.
  • 図表の使い方10点
     図表は正しく用いてください.図のタイトルは下,表のタイトルは 上に書きます.また文章による説明が基本です.図表は挿絵では なく説明のための補助ですから,文章による説明と無関係に図や 表が挿入されることは認めません.図や表の挿入する時に,図表 の左右で文を折り返す必要ありません.図表 等が入る行に本文を記述しないことを強く薦めます.
  • 式番号10点
     本文と数式を別のページに記述しても理解可能な書き方をしてください. 具体的には「本文中で数式を説明するときに必ず式番号を使って説明する 」ということです.
     計算結果の数値解を式の体裁で記述する学生が過去に多数いるが,本文の中で「式(?)に・・・・の値を用いて計算すると,○○mm2/sの値を得た.」などと記述する方が良い.
  • 体裁10点
     機械系の学生として適切な判断をしてください.なお,指圧線図の測定方法に関する詳細な説明は割愛してください.内燃機関の指圧線図の測定方法は基本的に大きな変更は無いと考えて構いません.そのかわり供試機関については一通りの情報を記載してください.
  • 結果の表示方法10点
     図や表を用いて見易くまとめる.見易いかどうかは担当者が判断しますが, 見難い表示方法の場合は自分が考察するときに支障が出ます.内容の重複した 箇所がある場合も,酷ければ減点します.
  • ページレイアウト10点
     特別なことは必要ありません.余白を20〜25mmにしてください.ファイルにとじた時に読めなくなるようなものや,無駄に広い余白は減点します.また不適切な改行や空白行の挿入,見出し前の空白行が無い,等は減点します.
  • 文体5点
     レポートでは「です・ます」や読み手への問いかけ等は認めません.
  • 理論の説明5点
     レポートに必要な範囲内で過不足無く書く. 結果を導く過程や考察を理解する上で支障を来すような説明は減点します. むやみに長いものも減点します.
  • 考察の内容標準は35点
     基本的には二つの実験条件で生じる熱効率の差について検討する.配点の内訳は以下の通りです.
     求めた熱収支(熱勘定)を他の文献と比較し,極端な誤りが無いと見なせることを確認する(5点).
     エンジンの熱収支において不明な損失があるが,その主たる原因を推定し,定量的かつ感覚的に分かりやすく妥当性を説明する(10点).「定量的かつ感覚的に」を以前学生に人気だった「音」を例に考えると,キロワットレベルのアンプで鳴らす音と比べて明らかに音が小さく,エンジン本体から発生する音が不明な損失ではないと否定できます.
    二つの実験で負荷が異なるが,異なる負荷で運転するためにエンジンにどのような操作を行ったか,データに基づき説明する(10点).なお負荷は動力計で与えているもので,エンジンの操作ではない.
    正味熱効率が異なる主な要因が図示熱効率であることを定量的に示す(10点).
     二つの実験条件で熱効率が異なる理由を熱力学的に説明する(10点).
    その他.
  • 参考文献
     必須項目.無ければレポートは0点とします.演習問題のレポートなら,提出前に学生同士で計算結果のつき合わせをするのが普通です.実験も同様で,他者のデータと比較して当然です.比較して傾向の異なる部分があれば,そこは考察の対象となり得ます.
  • その他
     上記の基準以外に評価すべき良いところがあれば,合計が100点になるまで 各5点追加します.
  • 課題レポート用紙で提出する分
     実験初日に予習の課題が,提出されなかった 場合や内容が不適切なだと判断される場合は評価点を3割減点する予定です. 課題レポートの説明は「受講する際の注意」の「レポートは最低3回提出する 」で詳細を述べています.


 基本的に再提出を受講者全員に認めます.再提出したレポートを評価に反映しますが,本提出の評価が60点に満たない学生が再提出に応じない場合は点数を剥奪します.ただし評価は一通り全てのレポートが提出された後に通知するので,再提出に対応する期間は期末試験の前後になる見込みです.


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