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大分大学 機械コース
助教 加藤義隆

2023年度 機械工学実験2
(理工学部創生工学科 機械コース 3年生)
E. 内燃機関の性能試験(2023年度に以前の内容から大きく変わりました)

達成目標


努力目標
  • 情報を読み取る
     ヒントを資料から探す.懇切丁寧な説明のある資料ではない.例えば同じ事柄でも資料によって異なる単語で表現している.知らない単語は根気良く調べる.


2023年度の対応
  • 実験データを受講者にファイルで提供します.
  • 量論混合比・stoichiometry・空燃比・燃空費・当量比・空気過剰率といった燃焼の際の空気と燃料の割合に関する話は各自で調べてください.
  • 本来は対象となる機器の知識をある程度持って取り組むべきですが,1週しかないので授業の都合で割愛します.エンジンの構造や仕組みが分かっていなくても,ほどほどにレポートが作れる内容になっています.
  • 授業は機械セミナー室で実施します.出席が叶わない受講者は事前に連絡をください.ウェブ会議システムのZoomを用いたリアルタイムのオンライン形式で参加できるように準備します.
  • Moodle上の課題の提出の欄にアップロードする提出物には,ファイルサイズの制限を設けます.初回の提出物はマイクロソフト社のWordで提出してください.


実験の要領と注意
  • 臨機応変な対応をしてください.以下は特にオンライン授業用に書き換えておりません.
  • 授業開始までに
     レポートを実験初回の最初に提出してもらいます.「このWebページ」を参考にしつつ,「Moodle上の実験データ」と「テキストのWordファイル」を用いて,実験レポートを作成し,授業開始前までにMoodle上にWordファイルでアップロードしておいてください.
     実験のテキストは電子ファイルをここからダウンロード可能にしますので,その内容の必要箇所を抜粋してレポートに使うことを許可します.  レポートは,A4用紙で印刷する際に,「左上1か所をステープラー(ホチキス)で留められる」「左側に2穴のパンチで穴をあけてファイルに綴じても読める」ということが普通にできるように配慮しておいてください.レポート作成時に,チェックリストを参照しながら,減点を回避できるように作成してください.レポート採点基準はこのウェブサイトにも記載があるので,確認しておいてください.
     内燃機関は数少ない実機を取扱うテーマです.他の製品に較べて資料や書籍が豊富ですが,このテーマで知識の有無を尋ねている訳ではありません.考察では,常識的な感覚と機械工学の基礎に基づいて,実験のデータに向き合ってください.エンジンについて網羅的に勉強する時間はありません.今回は必要な箇所に目星をつけて調べてください.
     自分の「解答」の正否ではなく,入手可能な情報から筋道立てて考えられるかを気にしてください.「正しいですか」と自分の考察を尋ねる前に,納得のいく議論ができたか省みてください.
     分からないことや困ったことがあるなら,誰かに助けを求めてください.そうしないと,何も解決しません.
     少なくとも提出者本人が理解可能なレポートを作成してください.他人のレポートを見て参考にすることは推奨していますが,実験データと全く関係無く参考文献から抜粋した記述や妄想に近い理解不能な記述を学生の間で継承しないでください.
     データと端末を授業中利用できるように準備しておいてください.授業当日は提出済みのレポートをその場で改変できるよな作業をする予定です.ネットワークの不具合に備え,データはオフラインでも利用できるように準備しておいてください.
     メモを授業中取れるように準備しておいてください.授業中の説明を資料配布することはありません.
  • ネット検索や生成系AIの利用
     ネット検索やChatGPT/BingAIなどを利用しても,自身で責任を持って記述すると共に,参考文献を明示してください.ちなみに生成系AIを利用した提出物は,内容がおかしい上に,同じ記述を何人もがしているので,読んでいる者は「生成系AIを利用したかな」と何となく感じられます.
  • 授業当日
     理工2号館(旧機械電気棟)棟2階機械セミナー室に集合.事前に提出されたレポートが,スクリーン上に表示され,批評される.
     服装は,節度ある適切な服装で来てください.作業着でも構いませんが,作業着を着用する必要はありません
  • 授業終了後のレポート提出
     Moodle上の該当する課題の提出場所にアップロードしてください.提出期限は授業当日に指定しますが,基本的には次週の実験開始時が提出期限です.

レポートの採点基準
 担当者の主観で判定しますが,以下の基準が設けています.考察以外の下記の項目について,同じ項目の減点対象が複数あっても減点回数は1回です.考察の内容は,機械系学科に所属する3年生として著しく学力不足を示す内容でない限り,少々の誤りがあっても減点はしません.
  • 字と文法5点
     言い切り口調で,音読した際にまともな日本語として聞き取れるように記述してください.「段落の始まりが1マス空ける」「段落の変更以外で改行しない」「句点もしくはピリオドで文が終わる」なども守ってください.書式および日本語の文法の誤りなども減点対象です.誤字脱字がひどい場合も減点します.上付き・下付きなどの誤りや数式のおかしな記述方法が減点対象です.ワープロソフト(某社Wordの某バージョン)を使用するときに本文中の記号を数式で挿入することが原因で行間が変わっている場合も減点対象にします.斜体・上付き・下付きなどは書式設定かフォントから変更できますし,ツールバーにボタンを配置することも可能です.
  • 図表の使い方10点
     図表は正しく用いてください.図のタイトルは下,表のタイトルは上に書きます.また文章による説明が基本です.図表は挿絵ではなく説明のための補助ですから,文章による説明と無関係に図や表が挿入されることは認めません.図や表の挿入する時に,図表の左右で文を折り返す必要ありません.図表等が入る行に本文を記述しないいでください.図表の番号の振り方や,出てくる順番がおかしいことも,減点対象です.
  • 式番号10点
     本文と数式を別のページに記述しても理解可能な書き方をしてください.「本文中で数式を説明するときに必ず式番号を使って説明する」ことが求められます.
     計算結果の数値解を式の体裁で記述する学生が過去に多数いるが,本文の中で「式(?)に・・・・の値を用いて計算すると,○○mm2/sの値を得た.」などと記述する方が良い.
  • 体裁10点
     機械系の学生として適切な判断をしてください.なお,一般的な実験の報告書の章立ては「実験目的もしくは背景など」「理論」「実験方法」「実験結果」「考察」「まとめ」といった感じですが,内燃機関の性能試験の場合は異なります.「内燃機関の性能試験」と言えば,計測項目や計測方法に多少の違いはあっても,説明は十分です.よって理論と実験方法の説明は不要です.そのかわり供試機関については一通りの情報を記載してください.また実験条件と実験結果も,所望の実験条件にするために色々と調整して実験しているので,無理に実験条件と実験結果の章を分けると大変です.「得られた測定結果」と「測定結果から計算した値」の区別が分かるように記載しておいてください.
  • データ等の表示方法5点
     下記評価項目以外で,データ等の表示方法が不適切な場合は減点します.内容の重複した箇所がある場合も,酷ければ減点します.図や表も適切に用いてください.なお見易いかどうかは担当者が判断しますが,見難い表示方法の場合は自身が考察するときにも支障が出ます.
  • ページレイアウト10点
     図・表・式を文章中に挿入するレイアウトで記述してください.その他は特別なことは必要ありません.余白を20〜25mmにしてください.ファイルにとじた時に読めなくなるようなものや,無駄に広い余白は減点します.また不適切な改行や空白行の挿入,見出し前の空白行が無い,等は減点します.
  • 文体5点
     レポートでは「です・ます」や読み手への問いかけ等は認めません.体言止めもNGです.
  • 説明5点
     本テーマの実験レポートでは,「理論」に相当する章は不要とする.しかし下記の評価項目以外で,理論的に不適切もしくは不可解な記述があれば減点する.なお提供する実験データには,実験のテキストに記載の計算式の大半が入力されていますが,それらの数式についてもレポート作成者自身が計算式の内容を確認し,自身が作業した場合と同様にレポート内で言及してください.
  • 実験結果や考察標準は40点
    〇熱勘定の表を適切に表示する.パラメータが何か分かるように適切に表示してください.提供されるデータの並び順は,計測システムのコンピュータが出してきた順番に並んでいるだけです.(10点)
    〇熱勘定の文献値を表示する.今回データを扱うエンジンは,動力性能の良い機種であはありません.変に性能の良い計算結果が出ていれば,おかしいと思って,計算を見直してください.(5点)
    〇空冷エンジンの実験結果なので,冷却水損失はありません.しかし「冷却損失に相当する損失の推定」を水冷エンジンのデータを参考にしてください.(10点)
    〇空燃比は「A/F」で表されますが,燃料1sあたりの空気の重さの比です.ガソリン1sに対して,空気14.7kgが「量論混合比」「stoichometric ratio」と言われ,燃料と空気中の酸素とが過不足無く反応できる割合です.空燃比が14.7より大きい場合は,空気が余る状態です.空燃比が14.7より小さい場合は,空気が不足し,燃料が燃え切ることがありません.空気が不足する場合,この授業では,大雑把に空気が不足した分だけ未燃分にエネルギが残ると概算してください.(5点)
    〇空燃比が低いときの未燃分が正味熱効率に与える影響を,実験データに基づき考察してください.(5点)
    〇空燃比が高いときの燃焼速度の低下が正味熱効率に与える影響を考察したら5点追加します.この考察の項目はとても難しいものですが,エンジンに興味があるひとは挑戦してみてください.実験結果として得られた熱勘定を用いて正味仕事以外の項目の挙動から推測の裏付けとなる議論をすることになります.今回扱う実験結果には指圧線図が含まれていないが,付録の「理解を助ける質問」がヒントになる.オットーサイクルの効率を熱力学的に考える必要があるが,「圧縮比」と言う単語の解釈に注意を要する.エンジンの圧縮比は,エンジンの形で決まるので,同一のエンジンなら運転条件では変わらない.一方,教科書類に記載されるオットーサイクルの話で,熱効率の影響を主に議論しているのは圧縮行程ではない.(5点)
  • 参考文献
     参考文献が不可欠な作業をしたら,絶対に明記してください.無ければ,「盗用」や「捏造」に類する不正行為をしたことになりますが,今回のレポートでは参考文献が無い場合は0点とします.演習問題のレポートなら,提出前に学生同士で計算結果のつき合わせをするのが普通です.実験も同様で,他者のデータと比較して当然です.比較して傾向の異なる部分があれば,そこは考察の対象となり得ます.
  • その他
     上記の基準以外に評価すべき良いところがあれば,合計が100点になるまで 各5点追加します.


 基本的に再提出を当てにしないでください.




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