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大分大学 機械コース
助教 加藤義隆

機械工学実験1
No.3 固体の温度伝導率の測定

達成目標


実験のテキスト 2024年度版のテキストが,説明会の日に配布されます.電子ファイルはレポート作成時に利用して構いません.

実験の要領 オンライン授業になる場合は,下記説明を適宜Zoomでの授業参加やMoodleへのレポートアップロードなどで読み替えてください.
  • 一週目
     理工2号館2階機械セミナー室に集合.最初に課題レポートの提出と実験テキストの1〜2ページの熟読をする.その後,測定を行い, 受講生にデータが渡される.受講生はそのデータを整理する.作業終了後に質問が無ければ,課題と2週目予定等の説明の後に解散する.なお4限終了までに時間が余っているならレポートの作成作業をすることが推奨される.
     予習のポイントは,温度伝導率と1.基礎式に記述された内容の理解です.微分方程式を解く過程は無視してください.微分方程式を解く過程以外は式の意味も尋ねていきます.物語ではないので,説明を読んで「ああそうですか」「よく分からない」などと簡単に終わりにしないでください.
     課題レポートの説明は「受講する際の注意」の「レポートは最低3回提出」で詳細を述べています.
  • レポート仮提出
     実験2回目の授業開始までに,レポートをファイルサイズ1MB以下のWordファイルでアップロードしてください.
  • 二週目
     仮提出したレポートをプロジェクタに映しだして,解説と注意を行う.その後,Excelによるグラフの作成等について説明を行います.受講者はその場で,ノートPCなどで修正をしていくと共に,メモを取れるように紙に印刷したレポートを持っておくことが勧められる.なおメモ用に印刷したレポートが使われない可能性はある.
  • レポート本提出
     Moodle上で期限を守って提出してください.提出期限は実験2週目に指定しますが,基本的に実験終了の1週間後までです.

受講する際の注意
  • 予習
     付録に大まかな理論の説明を書いたので,仮に理解できなくても質問できる程度になっていてください.テキストの最終ページに課題があるので,A4レポート用紙1枚に手書きしたものを初回の授業開始時に提出してくだい.オンライン授業になってしまった場合は,PDF化して授業開始1時間前までに提出してください.手書きは義務ではありませんが,ワープロソフト等による作成が適した課題ではありません.
     初回の授業では,レポート課題の解説の後,「温度伝導率が何か」という質問をします.また,式(2),(3)の解釈および,式(4)から式(9)までの導出の過程について尋ねます.
  • 服装と暑さ対策
     実験で作業らしい作業はありません. 上着着用は義務付けません.作業服の着用は義務付けませんが,受講する上で妥当な服装で来てください.サンダルや短パンは基本的に認めませんが,特別に事情のある場合は事前に申し出てください.
  • パソコン
     ノートパソコンを持参してください.電源も備えていた方が安心です.OSの更新は前日までに済ませておくことが望ましい.
  • レポートは最低3回提出
     実験レポートとは別に実験初日に課題のレポートを提出してもらいます.課題は実験テキストの最終ページに「実験初日にレポート用紙で提出する分」として記載されています.
     実験2回目の当日は前述のように,Word形式で1MB以下のファイルをMoodle上で提出してください.レポーを紙に印刷したものを準備して受講する方が,解説を聞きながらメモを取るには便利だと思われます.
     実験2回終了後は,指定された日時までにMoodle上の当該実験テーマの提出場所にレポートを提出してください.
  • レポートの形式
     レポートは,A4サイズで印刷し,左上1か所をステープラー(ホチキス)で留め,左側に二穴のパンチで穴を開けてファイルに綴じれるように配慮してください.表紙をつけてください.チェックリストは採点に使用するものと同じ内容なので,自己採点に利用してください.また,この実験のレポートに限り,「見出し・本文・箇条書き等」「式」「図」「表」を分けて作成してください.ページをバラバラにした状態で,式・図・表を添付資料のように参照しながら,文章の説明を読んでも分かるように書いてください.なお,文章と式・図・表を分ける記述方法は,報告文書としては古臭い形式ですが,報告書の文章の書き方を受講者に意識して頂く意図であえて採用します.受講者は,他のレポートにおいて,指定が無い限り,採用しないことを強く勧めます.
     提出する時は,手書きの場合は普通のA4レポート用紙,ワープロ使用の場合はA4サイズでお願いします.
     2週目の実験終了後にレポートを修正するので,ワープロの使用を勧めます.数式の記入になれていない場合に,数式だけ手書きにしても構いません.どうしてもWordで式を入力したい場合は,kikai1TEXTver2024.docxの式(1)の挿入方法を参考にしてください.古い形式の数式入力なので,極力改変しないか,エンハンストメタファイルに変換して挿入するなど,数式入力による改変を避けることを勧めます.
  • 班の中で協力しあう人間関係
     レポートを写す行為は許しませんが,協力しあうことは必要です.協力しあえる人間関係を築く努力は学生自身で行ってください.なおレポートを写す行為が発覚したときに,元となるレポートがを作成した学生が受講中であれば,その学生も処分します.協力することと不正行為は区別してください.
     読んで分からないレポートは,「参考」になりません.同じ大学3年生の作成したレポートなので,読んで内容が理解できなければ,自分の学力が低いか,内容がおかしいと判断してください.
  • 参考文献
     参考文献として伝熱工学の資料もしくは教科書が必要です.
  • 実験結果の受け止め方
     小学校の理科の実験では,予定外の結果は実験者の手順の誤りが原因となる傾向があります.今回,そういった考え方に縛られないでください.実験結果が予想通りにならない理由は,操作の問題以外にもあります.
  • 話を聴いていてください
     「今から,あなたに伝えたいことがあります.是非聞いてください.」等の前置きで授業担当者から話があるのは,余程深刻なことが起きている場合に限られると思ってください.「受講者全員に向かってなされている話」や「自分以外の受講者が受けている説明・注意」も受け止めて,各受講者の行動に反映させてください.
  • 話を聴きながらメモを取りましょう
     「一言一句漏らさず聞き取ろうと一生懸命でした」「声に聞きほれていました」「全然頭に説明が入りませんでした」「言葉を心に刻みます」,いずれもこの授業の受講においてやめてください.レポートに反映させるべき説明などは,丁寧にメモに残すなどしてください.「話を聴きながらメモを取るのが失礼」などということも,この授業においてありません.
  • 緊急の場合の連絡手段
     Moodle上の連絡や電子メールによる連絡を確認するようにしておいてください.急に授業の実施形態を変更する可能性などもあります.また授業の参加が困難になった場合,可能な場合は授業前日までに電子メールで連絡をください.余程の事情が無い限り,「他人に伝言を頼むだけ」の連絡はやめてください.体調不良の場合も,事前連絡をして対応方法を相談します.無断欠席をした場合は,事後に連絡があっても,余程の事情が無い限りは振替等を実施しません.




レポートの採点基準
 担当者の主観で判定しますが,以下の基準が設けています.考察以外の下記の項目について,同じ項目の減点対象が複数あっても減点回数は1回です.考察の内容は,少々の誤りがあっても減点しない方針でしたが,機械系学科に所属する3年生として著しい学力不足を示す内容が近年多く,減点することがあります.
  • 字と文法5点
     読めなければ返します.読みたくないほど雑な字は減点します. 誤字脱字がひどい場合も減点します.ワープロを使用する場合は, 上付き・下付きなどの誤りや数式のおかしな記述方法が減点対象です. ワープロソフト(某社Word)を使用するときに本文中の記号を数式を入力する機能を用いて入力する学生が後を絶ちませんでしたが,それが原因で行間が変 わっている場合も減点対象にします.斜体・上付き・下付きなどは, 使用するワープロソフトに操作方法が依存するので,各自で対応してください. 数式だけ手書きにしても構いません.「段落をみだりに変える」「段落の始まりで一マス空欄になってない」「段落が変わる以外で改行している」「正体不明な空欄がある」「主語・目的語・述語などの対応がおかしい」なども減点の対象です.
  • 図表の使い方10点
     図表は正しく用いてください.図のタイトルは下,表のタイトルは 上に書きます.また文章中での説明が基本です.図表は挿絵では なく説明のための補助ですから,文章による説明と無関係に図や 表が挿入されることは認めません.図や表の挿入する時に,テキ スト2ページの図1のような文の折り返しは必要ありません.図表 等が入る行に本文を記述しない.
  • 式の使い方10点
     本文と数式を別のページに記述しても理解可能な書き方をしてください. 具体的には「本文中で数式を説明するときに必ず式番号を使って説明する 」ということです.この項目は実験を担当する加藤独自のルールであり, 機械学会等の執筆要領を参考にしたものではない.
     計算結果の数値解を式の体裁で記述する学生が過去に 多数いるが,本文の中で「式(?)に・・・・の値を用いて計算すると, ○○mm2/sの値を得た.」などと記述する方が良い.
  • 体裁10点
     テキストの最終ページに「例」はありますが,正しいかどうかは別です. 参考にする程度にしてください.
  • 結果の表示方法10点
     図や表を用いて見易くまとめる.レポートは人に報告する物なので,見難い ものは役割を充分に果たしません.見易いかどうかは担当者が判断しますが, 見難い表示方法の場合は自分が考察するときに支障が出ます.
  • ページレイアウト10点
     図や表の挿入方法や見出しの入れ方など,見栄え良くしてください.特別なこ とは必要ありません.図表とそのタイトルなど本文以外の要素を挿入する時は,本文との間を一行空けてください.また「余白を20から25mmにする」「無闇に空白のスペースを大きくしない」などを心掛けてください.
  • 文体5点
     レポートでは「です・ます」や読み手への問いかけ等は認めません.体言止めも使ってはいけません.
  • 説明5点
     レポートに必要な範囲内で過不足無く書く. 結果を導く過程や考察を理解する上で支障を来すような説明は減点します. むやみに長いものも減点します.
  • 考察の内容35点
     適切に実験が行なわれると,実験結果は比較対照のデータと異なる値が出ます.まず,測定結果が含む誤差・測定結果を整理する過程で生じる誤差を見積ってください.なお,誤解が多いのですが,誤差は測定の誤りではありません.測定値の読み誤りや記録の不備および誤記記載は「誤差」ではなく,「誤り」や「失敗」です.
     配点は,定量的な評価がなされていることに5点,誤差評価をしていることに15点です.この,誤差評価は,単に誤差を何%と示すだけでは不十分で,相対的な比較によって誤差の大小を判断してください.また,誤差評価の結果として比較対照と実験結果に差が無ければ,それ以上の考察はありません.仮に比較対照と実験結果に差があれば,そのことについて言及してください.その考察の配点が15点です.
     考察では,自分のできることをやり切ってください.例えば,温度測定の誤差が実験結果に影響していることは,実験を見れば,誰でも分かります.考察で求められるのは,それ以上のことです.
     あと無駄に長い考察を作成している場合は,考察の部分での評価を無効にします.
  • 参考文献
     必須項目.「温度伝導率」に慣れ親しんでいる受講者はいないはずなので,「温度伝導率」がどの程度の値をとるものか,物質の違いによってどれほど値が変わってくるのか,は最低限調べてた上で,自分達の実験データの妥当性について言及してください.無ければレポートは0点とします.
  • その他
     上記の基準以外に評価すべき良いところがあれば,合計が100点になるまで 各5点追加します.
  •   


 2024年度から,実験題目「固体の温度伝導率の測定」の成績評価に用いる数値として,0点は0点ですが,0点以外は50・log10[上記の評価基準で算出される合計点]を用います.機械工学実験2の成績評価は実験No.1〜6の評価の平均で決まる予定です.そのため成績評価の際には,この実験レポートの作成で手間を費やしても報われません.ただし,対数で処理する前の点数が60点未満の提出物は,「見苦しくて読むのが苦痛」「レポート作成者が数週間後に読み返すと,書いた本人ですら記述内容が理解できない」など,理工系技術者が作成する実験報告書としては適さないものになります.大学3年生前期の時点では実験2回目終了後の最初の提出物で30〜40点程度になるのはよくあることで,後期までに一度しっかりと実験レポート作成の練習をすることが推奨されます.
 そこで強制はしませんが,受講者全員がレポートを提出した後に,再提出を基本的に受講者全員に認めます.再提出の際は,指定の期日までに再提出希望者が担当者加藤にレポートの修正案を説明し,修正案に対してOKが出た後に期日までに再提出することになります.再提出するレポートには,元のレポートからの変更した箇所を全てリストアップした一覧を,レポートの最後に添付してください.再提出に関する期日は,受講者全員がレポートを提出した後に通知します.例年であれば期末試験の時期に重複します.


担当者の
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