レポートの書き方 (大学1年生向け)Encode: Shift-JIS

0.レポートを書く時の心構え
 レポート作成は人に報告するための作業で,伝えようとする心構えが必要である.
 提出時は受け取る人のことを思いやり,指定があれば従う.レポートが複数ページあるときは,バラバラにならないようにホッチキスで閉じる.また容易に文字が消えるものは提出物として不適切なので,認められた場合を除いて鉛筆やシャーペンを提出物には使用しない.ワープロ等による印字またはペンが基本である.提出方法によっては紛失の可能性もあるため,複写物を手元に残す方が良い.

1.内容
 レポートには独立した内容を持たせ単独で理解可能にする.授業中の配布物や板書等がなくても第3者が理解可能な記述をする.理解可能な記述にするためには,納得できる筋の通った論理展開を行い,参考文献を利用して裏付を与える.使用した参考文献は明示する.インターネットは,情報の信頼性が低いことが多く,また更新によって内容が変更されることもあるため,参考文献に利用する場合は慎重さを要する.論理展開の方法は「レポートの書き方(学生実験)」でヒントを述べる.

2.全体の構成
 指定がある場合には,その指定に従って書く.指定がなければ書き手が適切な体裁を整える.見出しなどをつけて,レポート全体の構成が分り易いことが望ましい.全体構成は指定の有無に限らず5W1H ―Who・When・What・Where・Why・How― を意識する.
 1ページ目の頭,もしくは表紙がある場合には表紙に,氏名・学籍番号・所属,提出日,授業科目名と表題などの情報を明示する.

3.文法
 特に指定が無い限り,レポートは文法を無視せずに日本語で書く.例としては段落の文頭は一字空白にする,疑問符や感嘆符を使用しない,などが遵守する項目として挙げられる.また括弧も使用しないことが望ましい.ただし技術系の文書において句読点はピリオドやカンマで書くことが多い.句読点を使用するかカンマとピリオドを使用するかの選択は指示に従う.指示が無い場合はいずれかの表記方法を片方だけ選択し,文書全体の表記方法を統一する.

4.文体
 言い切り口調で書く.引用箇所などを除き丁寧語の使用をしない.体言止めに類する表現や,読み手に問いかけるような表現もしない.読み手の解釈が絶対に一通りしかない文を書くように書き手は心がける.特に一つの文中に複数の主語があるような文は極力避けることが望ましい.
 伝聞か自分の主張か,過去か未来か現在か,行為者が自分か他人か,等の認識が読み手に間違いなく行われるように書く.ただし文章として書き手が主語にならないようにする.

5.図表や式
 図表や式は,文章による説明の補助です.レポートで図表や式を用いる時は全て本文中で言及する.挿入する場所は本文で言及した箇所に近いことが望ましいが,図表や式の順番を守るなど図表を容易に見つけられるように配慮していれば,レイアウトの都合で変えても良い.
 図表には番号とタイトルをつける.番号とタイトルの間は空白をあけるだけで良く,ピリオド等は挿入しない.番号とタイトルの挿入位置は,図は下に,表は上になる.式にも式番号を振る.
 式を挿入する時は乗法の記号には「×」や「・」を用い,「*」や「x」で代用しない.累乗の表示も「^」や「**」を用いないで「上付き」を利用する.計算に利用する文字は,必ず意味することを明記する.また物理量を表す文字は斜体で書く.
 以上は専門科目の教科書を手本にすることができる.

■本の紹介
・木下是雄,理科系の作文技術,中央公論社 700円
・早稲田大学出版部 編,卒論・ゼミ論の書き方,早稲田大学出版部 1000円
・藤沢晃治,「分かりやすい表現」の技術,講談社 800円
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